在る ということ~ヘッセへの返詩
ひだかたけし

「われらには存在は与えらてない。われらは流れに過ぎない。

われらは喜んであらゆる形に流れ込む。 

昼に、夜に、洞穴に、寺院に。

われらは貫き進む。存在への渇望がわれらを駆る。」(ヘッセ『嘆き』より抜粋)


  *

流れ
流され
流れのなかにあって
私たちは確かに
存在している
確かに存在を与えられている

人生のある日、
ある時ある瞬間、時間は溶け
あるモノ、あるモノ、
鮮明に その輪郭を浮き上がらせるように
それぞれに 在る
私もその一部分に過ぎない
そして独立して在る鮮明なモノが
覚醒した意識のなか 繋がり合う

世界の実在性が宇宙と呼応する
世界の実在性が宇宙と共鳴する

感覚を超えたナニカが
私の意識野に取り込まれる
わたしは在る、
この世界の一部として
確固として存在している
繋がり合いながら
私は在る

静かな感情の高揚と共に

流れ
流され
流れのなかにあって
私たちは確かに
存在している
存在を放棄してはいない

神にだけ所有可能だとされる存在を
今、人間である私たちが取り戻す











自由詩 在る ということ~ヘッセへの返詩 Copyright ひだかたけし 2022-08-08 17:50:24縦
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