うどんを食べた日
番田 


昔僕は、パリを歩いていたのだ。そして、重いトランクを引きずっていた。石畳の上で、すぐにキャスターは、でも、破壊されてしまった。僕は歩き続けていたのだ。腹を空かせていた。荷物を置いて、何かをどこかに食べに行きたかった。そして、パリの街は曇っていて、やや暗みがかっていた。そして、僕は泊まる予定だったドミトリーを見つけ、中に入ったのだが、そこは、ホテルではなかったようで、中にいた係員の女性から変な顔をそこでされた。しかし、隣にあった建物がホテルだったようで、やっと、それらしい看板を見つけて、やっと、たどり着いたのだとわかった。受付の若者にクレジットカードを見せて泊まった部屋は悪くはなかったが、年寄には厳しい気がした。シャワーだけで、風呂が無かったからだ。年齢が上の人も泊まっていた。僕はそのような物件に、海外では何件も泊まったことがあった。そして風呂があるホテルというのは、それ自体が海外では希少な存在なのだということを、今では良く知っているのである。


今日は蒸し暑い日で、夏の一日を思い出させられた。食べ物も思うことも、自然と、そうすると、変わってくるものである。しかし胃腸の調子が悪かったのでうどんを食べていたが、辛いものでも、でも、僕は食べたかった。昔のことを思い出していると、少しだけ眠くなった。今頃あいつはどうしているのだろうと思うことがある。


散文(批評随筆小説等) うどんを食べた日 Copyright 番田  2022-04-13 00:59:00
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