僕の豚はきみの豚
花形新次

もしも僕が
好きなだけ食べて良いよって
言ったら
きみは黒豚ヒレカツの特上を
四人前頼むに違いない
それにたっぷりの辛子と
ソースを付けて
白い飯にワンバンさせて
食べ続けるんだね

キャベツや味噌汁が
食べ放題だって
そんなの眼中なしで

僕はロースカツを頼むけれど
きみは自分の分に
がっつきながらも
視線は
僕のロースカツに釘付けさ

今日も僕は
ソースに浸したキャベツをおかずに
ご飯を食べることになるんだね

でも
きみに気にして欲しくはないんだよ
だって
そんなきみを見ていることが
僕にとって一番幸せなことだから

僕の豚はいつだって
きみの豚なんだから





自由詩 僕の豚はきみの豚 Copyright 花形新次 2022-03-25 20:08:48
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