血族
葉leaf


降り積もる雪の
微細な分布に亀裂を走らせて
わが血族はうなり声をあげている
閉じてゆく都市の
活発な経済に喜びの舌を挿し込み
わが血族はいっそう血の温度を上げる
子が生まれることで
私もまたこの血族に組み込まれた
次々と血の果実が生っていく
この一族に正式に承認された
親と私と子と
それに先立つものと後に続くもの
歳が明ける朝の冷気をため込んで
煮えたぎる血の匂いが
私に四方から襲いかかる


自由詩 血族 Copyright 葉leaf 2022-01-03 05:53:55
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