ある夏の日
こしごえ

梅雨が明けた
夏の
青空に入道雲が
わくわくとしている。
空気の匂いが
夏を知らせる
夏を歌う私の魂
とくんとくんとくんと……
脈打つ

どこかで今
雨は降っている。私の
悲しみは今
愛に帰った
悲しみは再び私の
こころへ旅に出る
けれど最後にはやはり
悲しみは愛に帰るのよ
と私の小鬼は光る風にささやく

「全ては愛から生まれた」という
青空の声を聴いて
小鬼は黙礼する。
……くんとくんとくんとくんと
悲しみはそして、
沈黙した青空と共に人知れず
ほほ笑む
林の陰の小径へすぅと
鬼やんまは 消えていった


自由詩 ある夏の日 Copyright こしごえ 2021-12-25 14:51:43
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