得たと思うと同時に失う。
こしごえ

得たと思うと同時に失う。
そう

花はひそやかにゆれている。
私はひそやかにゆれている。
命は命に支えられている
この体は何かからの借りものなので、この体を返す時は一先ず自然へ返す。
しかし、
あなたや私のそれぞれの命に代わりはないし、私の気持ちは私のものです。

でもね、とらわれていると苦しい。
だからできるだけとらわれたくない できるだけ 雲のように水のように。
(とらわれないようにすることに とらわれていると気付く)
ああ、結局私は、とらわれているのだ。なぜかほっとする。
うん、何かを精神的に手放して こころを満たすことができるかもしれない。

名の無い私を置き去りにして、
名の無い鳥が飛んでゆく。
はじめの命を生んだのは何かだ 何かを生んだのは何だろうか。沈黙する

得たと思うと同時に失う。
そう
あの目は、
遠い昔に失った何かを見つめる
目であった

これも運命か。それでも 私は命に従います


自由詩 得たと思うと同時に失う。 Copyright こしごえ 2021-11-16 08:55:17
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