ゴールドエクスペリエンス
本田憲嵩

とてもながいあいだ、からだの内側のそれを、ただぼおうと眺めている、所有
してしまって、むしろ怖い、あるいはとっくに、ぬるいのに、まだ熱い、ふあ
ん よろこび きたい ふあん よろこび きたい・・・きらめく金色のグラ
デーションは、じかんを忘れながら、ひたすらに無音にさざめきつづける。さ
まざまな明度と色彩をともなう。つねに変化する、ささいなカイシャクの浴槽。
からだの外側からは、ほそながい湯気の茎、からだの内側からは、いつまでも
咲きつづける、あかい、火照りの、花、あかい、火照りの、花――



自由詩 ゴールドエクスペリエンス Copyright 本田憲嵩 2021-10-01 22:41:03
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