瓶ラムネ
愛心

古びた駄菓子屋の店先で
季節外れのラムネが数本 冷やされていたので
一本買って その場で飲んだ

こぽ ぷしゅわ

と 栓を落とすと

かろん

と 転がった

そういえばびいどろ玉というんだっけね

ガラス瓶の向こうで 老いた朝顔が項垂れている

まだ こんなにも陽射しは暑いのに

水着も浴衣も着ることなく

夏が終わる

飲みほしたラムネは

昔と代わらない味だった


自由詩 瓶ラムネ Copyright 愛心 2021-09-26 01:04:36
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