料理で俳句㉒鰯
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本日のお品書き~鰯の刺身~
鰯漁三千世界へ鱗飛ぶ
生来の魚好きで、なんでも自分で三枚に五枚におろして食ってしまうが、なかでも何の刺身が旨いかというと旬の丸々と太った鰯じゃないかしらん。
以前、三浦半島の芦名という集落に住んでいた。家は、ウッドデッキからしようと思えば釣りもできるほど海の真ん前。はるか沖合に大きな定置網が仕掛けてあり、様々な魚種が入った。定置網漁は大抵、朝六時ころから始め、十時あたりで終了し漁港へと向かう。
ところがその日は昼過ぎになってもまだ漁が続いている。なんだろ。双眼鏡を沖合に向けると、船の喫水が深くなっており、傾いてもいる。大漁か?船が漁港へ向かうのを確認して、自転車で港へ。
沖合からたくさんのカモメを引き連れ、海を押し分けて船がのっしりと戻ってくる。水揚げが始まる。青い背中に銀の鱗が光る。鰯の大漁だ。(海の中では何万の いわしのお弔いするだろうby金子みすゞ)船員たちも興奮し、港の見物人にも鰯を投げてよこす。大きく丸々と太っている。
家に戻ってさっそく料理開始。鰯などは「青物」というが、鮮度抜群の鰯は緑がかっている。鱗もびっしりと固く身についている。氷水の中で鱗をとり、手開きで腸をとって刺身に。臭みが全くない。脂が甘い。すりおろしたての生姜と醤油でいただく。鰯は足が速く、すぐに塩をして干物にするのが一般的だが、実にもったいない。
いわしは「魚偏に弱い」と書くが、わが辞書には「魚偏に旨い」とある。
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料理で俳句㉒鰯
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2021-06-13 17:37:19
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