雉の声
道草次郎

雉が鳴いている。
雉にとって鳴くことと同じくらい当然のことを、ぼくは、今日しただろうか。
タイヤ交換をした。何人かに電話を掛けた。ラティスフェンスを組み立てた。詩も書いた。
雉の鳴き声は、あまりにも、空の下で不動の位置を占めていた。

たしかに、認める。
人間のふりをするので精一杯だった。



散文(批評随筆小説等) 雉の声 Copyright 道草次郎 2021-04-12 19:59:35
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