詩の良いところについて
道草次郎

詩のありがたいのは、何でも、色々と思いのままに書ける所です。

一枚の白紙さえあれば、好きなことを好きな具合に書けますし、誰に遠慮することも無いのです。
すごく、その事が、単純に宝物のように感じられます。

自分などは何か目標とかそういうことは全然思わないので、随分、気楽なものです。

また、作文の宿題でもないから、文章がおかしくてもあまり恥ずかしくありません。きっとこれが小論文の試験なら自分は10点も取れないでしょう。

辛い時、それから辛くない時があります。色々な時があります。
そして、その色々な時に色々な詩のこころがあります。それをその時の気分にしたがって書くことが許されているのですから、それは、きっととても素敵なことです。

例えば、青い花が咲いていたら青い花の詩を、絵を見たら絵の詩だって書いていいのです。もちろん、好きな音楽や感動した体験も詩にできます。

それと、詩の良いところは余白です。余白は、気持ちをほぐしてくれます。こころがもつれている時などは、なんだか、優しく手を引いてくれるような気がします。

誰かに評価されるとかされないとか、そんな事は、詩のあることのすばらしさの前ではまるで霞んでしまいます。

自分はそのように詩のことを好きでいると思います、たぶん、これからもずっと。

はて、この言葉はだれにむかって話し始められたのか。もう、よく思い出せません。でも、それもまたヨシとしましょう。

詩のかみさまはきっといると思います。
みんなが書いた全部の詩をとても優しく読んでおられる筈です。そして、かみさまの詩は自然や宇宙なのだと思います。

かみさまの詩にインスピレーションを受けて書かれた詩が、また、かみさまの元に届く。そういう循環のただなかに、今、こうして筆をとっている。そのことの奇跡を思わずには、自分などはとてもいられないのです。


散文(批評随筆小説等) 詩の良いところについて Copyright 道草次郎 2021-02-24 18:03:50
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