私と言う物語には
こたきひろし

一日一つかふたつインターネットに書き物を投稿している
それを家族は知っている
だけどね
何の関心も示さない
だってさ
それは幾ら掘っても何も見つからない宝物探しのようなものだから

家族はみんなそれを知っている

私たちが日常で使っている日本語と言う言語
日本語で話し
日本語で考え
ときには日本語で激昂し
日本語で泣き笑いをする

美しい日本語
汚れた日本語
難解で複雑な日本語

どんな日本語も生きていく為には欠かせない

日本語から
選び
拾い集めて
糸をより集めて
言葉の刺繍を編むのが
私の何よりのよろこび
ただそれだけ
それ以上何も欲しくない

家族は私のよろこびに何の関心も示さない

だけどねそれは致し方ないこと
人はそれぞれに
自分の物陰を脚本にして
人生を演じているのだから


自由詩 私と言う物語には Copyright こたきひろし 2020-12-11 05:35:04
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