感性に触れている
ねことら

エスカレータの駆動による振動でトクントクン、と存在の透明が波打っている。ホールは広く、がらんどうの中で金属的な嬌声が響く。

一冊の清潔な記録。読み返すたび、振られたすべてのルビが滲み、抽象的な絵画のような、秘められた悪意のような意図に変換される。

到着の履歴。オクトーバ、誰のものでもない居場所へ。誰かに介される文字である必要はないし、どのように届くかも問題ではない。


自由詩 感性に触れている Copyright ねことら 2020-10-28 20:16:44
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