haze
ねことら




おずおず手繰ろうとした楕円のような温みは、そのやわらかな縁取りをいたずらにみだしてしまう指先で、わずかにほころび、くずれ、わすれもののケチャップのようにてのひらのうえで台無しになってしまうのだった



みじかい感覚のめざめは、ぼくの重くしな垂れた穂をゆさぶり、攪拌していった、たちどまろうとする、たちどまろうとするね、すこやかにヒトは行き来し、透明な釘のように、ぼくは干からびた確信をのみこんでいる




リリック、リリック、雨の連弾が縁取っていく灰色の街の水彩、どこまでもとおいことをかすかな希望に代替させて、リリック、リリック、揺れる水彩、綺麗って応えるから、予備じゃない祈りの仕草で、ここに微熱をはこんできてよ








自由詩 haze Copyright ねことら 2020-07-04 18:04:08
notebook Home 戻る  過去 未来