火星の動脈
鳴神夭花

生が喉までせり上がって
うるさくなって
苦味とアルコールが手を繋いで踊って馬鹿騒ぎ
ああ
そういうものであれたらなあ
この胃の腑が馬鹿の遣り方を知っていて
薬をアルコールで飲むようなこと
出来ていたらなあ
忘れてしまうんだ
何処にいたって
何も受け付けないだけでは死ねやしない

喉が
何処か
うるさくて

吐くものすらないのに
胃液のなりそこねが這い上がる
夢で待っているよ

たぶん
君はそう言いたかった


自由詩 火星の動脈 Copyright 鳴神夭花 2020-10-25 22:24:03
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