動けない背中
ミツバチ

必死で追い求め
息切れの中で掴む裾は
するりと遠くへ舞っていく
手に入れたいと焦がれる程
虚しさは募るばかりで
いつの間にか自分を見失う

目的を忘れた心
眩む目には手の届かない背中
ひどく長い時間を彷徨って
自分の存在が曖昧になる時
私の向かう先には誰も居ない事に気づく

君は確かに泣いていたような
いや笑っていたような
私に柔らかい言葉を掛けて
瞳は常に世の中の美しさを愛した

互いの求めるものが違う事が
私には理解出来ず
とても遠回り
追い求めた君は既に居ないのに
幻に捕らわれて

私は 私は


自由詩 動けない背中 Copyright ミツバチ 2020-09-03 09:32:10
notebook Home 戻る  過去