梅雨
ミツバチ
木々は水を滴らせ
草はより一層繁っていく
水草に似た緑の葉に
合歓の花は金魚のように泳ぐ
微妙にカーブを描く幹
意図しない芽吹き
計算外の美しさ
貴方と繋いだ手はどこまでも柔らかで
木漏れ日の日差しのように
とても優しくて
こんな日がずっと続くと思っていた
似たような季節はずっと巡るけれど
少しずつちぐはぐになり
だんだんと色褪せていく
貴方の温もりだけは忘れまいと
ほんの手のひら程の幸福を
そっと飲み干して
今年もまた夏がやって来る
自由詩
梅雨
Copyright
ミツバチ
2020-07-24 18:01:17