ろくがつ
鳴神夭花

骨の音がしていた
肉が刮げ落ちた其処には
生命(いのち)がやっとのことで鎮座している
しがみつきもせず
縋ることもせず
そうするのが正しいと言ったような様子で

触れる度に
骨というのはなめらかであるのだと
教えられている
指先から脳の奥までに響いていく

皮一枚、
その表現は正しくない

演奏をするような凹凸に
笑うことが出来たならよかった


自由詩 ろくがつ Copyright 鳴神夭花 2020-06-08 23:31:12
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