うたき
鳴神夭花

歩いては振り返る
其処に本当に道があるのか
あったのか
確かめるように
本当はそんなことをしなくても
良いと分かっているのに
それでも遣って来る朝から
目を逸らすように

足跡(そくせき)は消えていく
踏み固められたものではない
波がさらうような
そんな方角を目指して
いたような
気が



人間は変化するいきものだ
それがどんなものであろうとも
正しくとも愚かであることはある
誤りでも心あることはある
裁定を
下すのはわたしたちだ
歩いてきた一本の道を振り返るわたしたちだ
変化を確認するために
わたしたちは振り返る
進むべき方角を
定めるために

波が鳴っている
きっと未来に風は吹いている


自由詩 うたき Copyright 鳴神夭花 2020-06-04 01:23:06
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