春の小川
丘白月

悲しい色をした
涙を雨でうすめたような
白い白いため息が
空に昇っていく

銀河に棲む妖精が
ひとつひとつ集めて
星に変えて並べていく

果てしない宇宙に
天の川が流れていく
キラキラ
カラカラと

星が流れる音が響く
ため息を集めて
どこまでも流れる星の川
見上げる私達の心をなぐさめる

始まったばかりの
春の夜空に流れる小川

まだ冷たい空の下で
私は愛する人と
ヒトヒラ流れる花びらになる

ゆっくりと私は
何度も生まれ変わりを繰り返し
二億四千万年をかけて
天の川を一周する

銀河の妖精は
優しくウインクして言う
また逢えたねと


自由詩 春の小川 Copyright 丘白月 2020-03-25 22:58:35
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