認識に関する二つ目の切片に至るまでに拾われた七つのパンくず

日の出の少し前
薄闇に息づく 乾いた唇へシロップを垂らす
これは永眠への備え

しかし、それを十分に行える生物は
私の知る限り猫のみである


   “cock-a-doodle-doo” これを1回目とするなら

   “cock-a-doodle-doo” これは2回目

   “cock-a-doodle-doo” そして3回目

   “cock-a…” 耳石が駄々をこねている。

   英語を嫌う私に相応しいアラーム音が、


12/18
今日の朝日はソラニンの味がした
それから 何か 痺れて――。


   遺すべきものを吟味する。
   大切にしているものを、大切に思うのは何故か。
   その理由を信じるのは何故か。
   キュッと締まったキャベツをひん剥くように疑え。
   そう、例えば人間 は、地上に遺す価値がある動物なのだろうか。


夜がはじまる 室温3℃ 湿度80%
飯寿司は外へ炭酸は屋内へ置く
夜がふかまる 手がかじかんで遺書が書けない!


   思えば私はノートを作らないタイプの学生だった
   罫線と反りが合わないんだよと嘯いて
   ルーズリーフに理想のおっぱいや大臀筋を描いていた
   くるぶしの魅力を知らないクソガキだった


最後の手紙はヤギに差し出すと決めている。
ありったけの哀しみをパリパリのキャベツに書き込んでさ、
この自己の存在さえ不確かな世界で死を待つ夢から醒める前の
最後の手紙
     を
      食べたヤギの血を次の私の乾いた唇へ垂らすのだ。


自由詩 認識に関する二つ目の切片に至るまでに拾われた七つのパンくず Copyright  2020-03-14 16:49:02
notebook Home 戻る  過去 未来