かちり
かぜきり

鍵を拾った

それは確かきのうの鍵

みつけたおかげでおもいだした

なくしたおかげで見つけだした

見たくないから飲み込んだのに

みつけちゃいけない 捨てたはずの鍵

あふれるきのうをばたんとしめて

かちり

まわしたきのうの扉

おかげでとびらがひらいてしまった

あふれたきのうのはじぐざぐだ

私の意識をぐるりと覆い

わたしはわたしにおおわれて

わたしはわたしにとほうにくれる

あけっぱなしのわたしのとびら

ためいきひとつ げんこつふたつ

握った手にあるその鍵を

今度はそのままのみこんだ


自由詩 かちり Copyright かぜきり 2005-04-07 21:52:39
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