忘年会の鍋に捧ぐ詩
うめバア

12月までに稼いだカネを数えた
ばかみたいだ

いくらにもならないことに
時間も、気持ちも、すり減らして
頭を下げたり
間違えたり
悔やんだり
喪ったり

懐かしかったり
恋しかったり
びくびくしたり
どうしようもなく落ち込んだり

ああ、そうだ
ばかみたいなんだ、アタシは
でもやめられない

夜は鍋にハクサイを入れて
ちょいと箸でつついてさ
鱈も入れてやろうよ
スーパーで買ってきたやつ
塩辛だってある
見切り品で割り引いていた
いいじゃないか、上等じゃないか
ビールあけて
フジテレビつけて
明るい笑い声、向こう側に
12月を超える人たちの姿

楽して稼ごうよと明るく笑えば
キリキリ働いている私を否定しないでという声がする
そのどちらもが友達

どちらとも、鍋をつつきたい
ビールで乾杯したい
そんなにせめないでよと
弱さをさらけ出して
ぐだぐだになっていきたい





自由詩 忘年会の鍋に捧ぐ詩 Copyright うめバア 2019-12-20 00:49:57
notebook Home 戻る  過去 未来