キンモクセイ
ミナト 螢

鼻の通る道で
擦り合わせた
花びらが渡す
匂いの小袋

目には見えない
粒子が飛ぶような
風の流れに
心を開いた

言葉が少しずつ
欠けてくパズル
何かで埋めようと
探してみると

記憶は遠いほど
鮮やかだった
甘さに負けて
引き出す夢もある

見上げる空とは
無関係な色

夜になったら
同じく輝くよ

金木犀と呼んだ
時に思う
そういう名前の
星があればいい


自由詩 キンモクセイ Copyright ミナト 螢 2019-10-16 07:51:59
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