裸で岩に坐る
服部 剛

旅先で飲み過ぎて
あぶないので三十分以上
間を
空けて、酔い覚めのからだで
いそいそと…露天風呂へ

(水を飲んだり、最善を尽くしたのだ)

閉館近い露天風呂は
すっかり掃けて
人っ子ひとりなく
丁度いい岩が ひとつ

腰を下ろしたり
身を沈めたり
――今だかつてない…湯加減です

まったく何が幸いするか
知れたものじゃない

友よ 明日の余白のシナリオを
予想することなかれ  






自由詩 裸で岩に坐る Copyright 服部 剛 2019-08-28 23:53:18
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