割れた空の色
かぜきり

それは彼が歌う 葉色の吐息
さびしく踊る よる色の翅 

かえるの君をおいかけて 
銀盤の上を ゆらゆらゆれる

視界の端の夕焼けのような 

意識のはしの金の月のような

きらきら嘯く蒼い夜に

幾条揺れるさびいろのいとが 
藍そら深く切り結ぶ

まるで届かぬ砂浜の上
ガラスの剣をふりつづけ

銀色の篝火を 燃やすのです
夜空よ割れよと 燃やすのです
ざわめきを喰らい 燃やすのです

深息あふれる闇夜でも 
あなたがさびしくないように 
よりそうかげをたやさぬように


自由詩 割れた空の色 Copyright かぜきり 2005-04-02 15:05:27
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