朝顔の妖精
丘白月



遣唐使の手に握られ
海を越えて来た牽牛花の種

朝露を呑んで目を覚まし
陽の傾きを枕にして眠る

夏の調べを聞き漏らさず
唄うように風に揺れ
恋するように弦は昇る

井戸水が如雨露にそそがれ
小さな両手ではこばれる
朝顔の妖精は笑顔で待っている



自由詩 朝顔の妖精 Copyright 丘白月 2019-07-26 18:41:45
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