いつの日か
パン☆どら

夕暮れの太陽はとてもきれいで
暖められたアスファルトと
冷えた紅茶と
とぼけた瞳と
香ばしい花と
たくさんの飾り物が
服装とか帽子とか
そんなものから空気を吐き出す

ボクは自立していこうと思う
お金を稼いで
部屋を借りて
それから街角で言葉を買おう

買った文字はバラバラにして
窓枠の中に詰め込んで
花瓶の花の隙間から
光が差し込む
言葉の重なりが影となり絵となり色となる

蛙という文字がポロリと落ちて
鳴き始めているよ
もうすぐ雨の季節なんだねえ
そういって二人で窓を眺める


言葉は指を通ると別のものになっている
矛盾が人を成長させる
その通りだと思うよ
熱い人と寒い人
頭のいい魚と優しい怪物
目に見えない細菌と巨大な利己心
それらが一本の足でバランスをとっている姿は
見ていて美しいね
いつかは崩れるのだろうけれど

美しい花はいつかしおれて醜くなり
働きものだった蜂は働かない蜂のために命を落とす
そうやって一つ一つの物語が完結する

ボクも自立して完結しようと思う

働いてお金を稼ごう
稼いだ金で言葉を買い
それを窓の枠にはめ込める
日の光が当たって綺麗に反射する
言葉の重なりが影となり絵となり色となる
蛙という文字がポロリと落ちて
仲間を呼び鳴き始めている
もう雨の季節なんだねえ
もう
そんな季節なんだねえ


自由詩 いつの日か Copyright パン☆どら 2019-07-26 18:35:50
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