四月になればあなたは
ベンジャミン


始まりの声に耳をすませば
それは静かでも力強いことに気づく

あなたは
不確かな未来を希望にからめて
堅く結んだ約束を口ずさむ
こぼれたいくつかは落下して砕け散っても
受け止めたいくつかは手のひらから広がってゆく
つながれた時間をわたる感情の波間に
思い出という節目を刻んで
あなたの
三月は後退してゆく

それでも
さよならに向かって手を振るその
スピードと同じ速さで近づいてくる
確かな明日を
四月と名づけるとき
呼ばれた声に応えるのはきっと

生きて
いるから

だからあなたは
常に生まれ続けるものに
自然と微笑みながら

めくられる日々におはようと言いたくなる

   


自由詩 四月になればあなたは Copyright ベンジャミン 2005-03-28 19:19:57縦
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テーマ詩「月の詩(ウタ)」