チキンラーメン
花形新次

熱々のチキンラーメンを食べながら
断崖絶壁に向かって
車を走らせ
崖から出来るだけ近い位置で止まり
出来るだけ溢さなかった方が勝者

若者達は
自分の勇気を誇示するために
命と皮膚を掛けて競いあった

スタート前
3分間の静寂は
蓋を開けると同時に破られる

観衆は
辺りに立ち込める
チキンラーメンの匂いに
行き場のない青春の幻影を見た






自由詩 チキンラーメン Copyright 花形新次 2018-11-01 21:10:27
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