単振動
ねなぎ
夕暮れ時間
謝る姿勢がなっていないと
夜中の二時に怒鳴られて
周波数は応答せず
じっと見ていれば
何だその目はと言われ
気がつけば
必死に声を絞れば
聞こえないと笑われ
また外が暗い
全部片付けて
持って帰れと
過渡応答の時間は
投げ捨てられた
書類を掻き集めて
脳を揺らすだけで
社用車に積んで
何処をどう運転したかも解らず
角速度も解らず
日曜の誰も居ない
オフィスに座りながら
目眩だけを残し
鳴らない電話を眺めているのに
エアコンの音だけが沈んで
そして考える間もなく
キーボードを叩く何の意味も無い無機質が
じっとりと背中に張り付いている
なんとなく夏だった