deep sea
mizunomadoka
あなたの鍵を青く塗って海に投げた
波の泡が飲み込んで
見えなくなった
別れた日だった
わたしが泣くとあなたも泣いた
玄関に、台所に、ふたりの部屋に
あなたとわたしのYESとNOが
散らばってる
もう会わないって言ったけど
もう会えなくなるなんて思わなかった
夢の中であの海にいる
静かに錆びた砂の上を
蟹たちが知らずに歩いてる
どんなに掘っても鍵は見つからない
時間だけが過ぎてく
わたしは息をとめる
わたしは海水を飲む
目が覚めると
涙に髪が絡みついてる
あなたにあいたいと
わたしは目を閉じる
この先はあなたに
夢でいい
あなたに