椰子の木
草野春心



  平仮名で書かれたような
  正しく間抜け向きの静けさ

  油臭い中華屋で私は
  漫画を読んでいてもいいし
  回鍋肉を頼んでもいいし

  目の縁が
  かすかに痛い
  世の中が掠っている気がする
  忽然とした 椰子の木……




自由詩 椰子の木 Copyright 草野春心 2018-01-20 23:24:44
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短詩集