鷲田

壊れるような空気を
壊すことが怖い
物語を語らないことは
一つの意志

欲求の掃きだめは
無機的な機械の音によく合う
寒さが舞い降りてきた
1月の大都会

生活への執着は
些末な流れに乗り日常が流れる

人々はその意図に無関係に
寄り添い歩く
そして固まる
それが仕事だ

怒りと悲しみは混在して
脳が震える
夜の電気の光が懐かしい

足音は共鳴に喘ぎ
動脈は弾ける

夕刻
あなたの目から
一筋の涙が流れた時
私はとても安心した

明日の希望は忘却されている
足元の硬さだけに
生きているスピリット


自由詩Copyright 鷲田 2018-01-20 00:17:53
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