眠れない夜は
こたきひろし

私の命に仕掛けられた花火
火をつけられて
打ち上げられた冬の夜空

大輪に咲いた花の欠片が
灰になってこぼれるように堕ちてくる
そんな筈はない

降ってきたのは雪
街はたちまち
雪景色

眠れない夜は
眠れないままに任せて

部屋の天井は暗黒
私のさびしい眼は
じっと見ていた

きっときっと
私の魂は
体を飛び出して
天井をすり抜けて

極寒の夜空
しんしんと降る雪のなかを飛び回り
そして
寒さにたえきれずに
眠くなって

凍え死んでしまうに
違いなかった


自由詩 眠れない夜は Copyright こたきひろし 2017-12-28 00:41:09
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