センチメートル
青の群れ

だれかの手袋が車に轢かれる季節がくるね
あと二十四歩でたどり着く家の明かりは暗いまま

金木犀散らす弱い雨に一つの傘をさす
住宅街の自販機にはまだ温かい飲み物がなくて
裏側に隠れた太陽を待ちわびる
教えてもらった音楽で切なくなるより
深夜のお笑いラジオでも聞こうよ

センチメートルの強い風に吹かれて
スエードの靴に染みが付いた


自由詩 センチメートル Copyright 青の群れ 2017-10-12 11:38:30
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