左側、右頬
青の群れ

視線の先、ふたつのほくろ
気づきじゃなくて確認だった
並んで歩くリズムが少しずつずれていく
もうたぶん知っているでしょ

黒い地面に丸い染みが広がりはじめて
柔らかい肉に食い込むスーパーのビニール袋

人差し指のささくれを気にしている

温く強い風に水滴が交じるから
早めに退屈を脱出したいだけ

小走りするのにはもう疲れた
腑に落ちないけれど月並みなことば並べて
筋書きどおりに進めようよ
「す」の予測変換に「きだよ」が続くみたいな

はしゃぎ過ぎのあとの倦怠感
独り歩きの行方はわたしたちだけのものだった

遠くの雷の音
ミサイルが落ちたのかと顔を見合わせる


自由詩 左側、右頬 Copyright 青の群れ 2017-06-01 12:51:52
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