鉄壁の笑顔
藤鈴呼


青空を海に見立てて
中央の粒を見やる

角度によって 黄色っぽくも 見えますし 
周りの色合も それぞれなので 
オリジナル感覚が 広がる

鯉を突く 鷺の姿を
直接 眺めた訳では ありません

半分になった 魚の 尻尾部分を
眺めながら 言う

可哀相 でもあり 
弱肉強食 でもある 
総合すると 食物連鎖 となる光景

春の海豚は跳ねる
冬の季語だそうな

あの人が 教えてくれた 善し悪し事を
今宵 四方山話に替えて

白い画面に 入力していく時
流れ星が キラリと見えた

飛蚊症と言うのですよ
白衣の天使の笑顔

鉄壁のガードだ
紺碧の空に浮かぶ

晴天の霹靂
どんな壁画よりも美しい

何色の絵具を以てしても
描き切れぬ 透明模様

底に模様が 存在するのか
いくら透明に近い海の底でも

ババアサザエくらいの大きさになれば
隠れる隙間がありません

潮溜まりの中で
ジッと身を潜めて
その時を待つ

泡が少しずつ流れ始めて
重曹の効果を知る瞬間

やけに重たいぬめりが
鱗から剥がれて行くのを
感じながら

★,。・::・°☆。・:*:・°★,。・:*:・°☆。・:*:・°


自由詩 鉄壁の笑顔 Copyright 藤鈴呼 2017-10-03 10:24:32
notebook Home 戻る  過去 未来