目玉
藤鈴呼


ぐうるりと動かして ぎょろりと留める
黒玉の部分は どうやったって動くから
白い部分が 均一になることはないと独り言

画面の余白に従って カーソルと動かすと
カースト制度に促される
三角形の頂点に突き刺さるマツゲに
似合うマスカラを 今すぐください

カウンターでは 小気味良い話は聞かれない
小声で語る 良し悪し毎にプラスして
硝子をドンドンと叩く音がする

ここに ゲンゲを 干してあるんです
鴉避けに ディスクをおしくらまんじゅうして
背面と 背面が ぺったんこ
羽根がキラリ耀く面に 貼り付いてくれたらめっけもの
その先は どうしますか

パタンパタンと せせこましいばかりで
優雅な休息が得られない
そうでしょうとも 万年睡眠不足なんです
万年から千年を引けば
今の齢と違わぬ弱さ 導き出せますか

シグマもマグマも分からない
計算式の向こうで 割り算をする
手元の札束と 何を足してから引けば良いのかが
分からないままで

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自由詩 目玉 Copyright 藤鈴呼 2017-10-05 21:04:28
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