ひとつのメルヘン
秋葉竹

うつむいて幸せ色を飲みほして茜の空に消え入るため息

あの時の白い日記を一新し古びた銀貨を落とすメルヘン

あちこちにこぼれるミネラル塩あめをかばんに仕舞ってゆく夏の午(ひる)

蛇つかい星座になるほど有名ななにをしたひと くるまは出してね

本を買う 横に並べるまえに読む 戦場(いくさ)で亡くした指輪の空箱(はこ)の

おもろうて やがてかなしきことが好き 翔び 踊る蝶 死に 蟻の餌

さがすふり 幸せ色は知っている ありかも順路もそのむだ足も

その銀貨 二度ときえるなマジックでおれのものさと君の名を書く


短歌 ひとつのメルヘン Copyright 秋葉竹 2017-09-19 22:12:19
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