雨鳥
ヤスヒロ ハル

雨の夕暮れは静か
魂が濡れるに任せて
ただ風は流れる
雨雲は青々と輝いて
名も知らぬ鳥の姿を溶かす

嗚呼
わたしは安心したいのに
地球が優しく泣くから
その肩をそっと抱いて
慰めを探さねばならない

たとえば虹
穏やかな波
涼しい風
季節の花
果実の味
いきものの愛
暖かい陽の光などを

そしていま
雲から千切れた鳥が
その羽に触れた雨粒を
果実に変え
その種子から延びた蔦が
白砂に待つ雛をあやすを見る

鳥は透明な空を目指す
七色の風のなか
ささやかな夕焼けを纏って


自由詩 雨鳥 Copyright ヤスヒロ ハル 2017-07-26 23:46:50
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