いちねんまえのきょうの夜中
吉岡ペペロ

いちねんまえのきょうの夜中の出来事を

ぼくのこころは

毎日三十回くらい思い出している

日々葛藤している

日々価値観を試されるような出来事ばかりだからだ

ぼくはぼくの価値観を手放すことに失敗している

手放したところで

なにがあるというのだ、ないというのだ


この世に生まれたとき

どこの国で生まれたとか

どんな家庭に生まれたとか

運動能力や頭の良さだとか

生まれもった性格にしても

スタート地点からしてみんな差がある

それを忘れて努力が足りないだとか

モラルだとか普通はだとか

自己責任の話にすり替えて

あるべき姿を吹聴しているぼくがいる


いちねんまえのきょうの夜中の出来事を

ぼくのこころは

毎日三十回くらい思い出している

日々葛藤している

日々価値観を試されるような出来事ばかりだからだ

ぼくはぼくの価値観を手放すことに失敗している

手放したところで

なにがあるというのだ、ないというのだ




自由詩 いちねんまえのきょうの夜中 Copyright 吉岡ペペロ 2017-07-25 15:55:34
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