林檎
大西 チハル
あの子が私の為に林檎の皮を剥く
くるくると細く長く
細く長い指で
それはやっぱり途切れずに
あたしに笑いかける
林檎の皮を最後まで切らずに
くるくると剥けるあの子
を、見ていたらなんだか悔しくなって
そのままかじって食べたお昼休み
林檎なんか好きじゃない
好きじゃなかった
はず
あの人が、あの子を見てる
あの子を見てるあの人を、見てるあたし
あたしを見てるのは誰
自由詩
林檎
Copyright
大西 チハル
2005-03-11 10:22:37
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