嘘つき
大西 チハル



許したと思っていたことを
許せてなかった
忘れてしまったと思っていたのに
忘れられなかった


台所で
風呂で

ふっとひとりになる
重ねてゆく日々の小さな落とし穴のような場所


おもいはこえにだせない(嘘つきはわたしです)
なくことはゆるされない(嘘つきはわたしです)




愛しさのかけらは
三日月のように
浮かび

ただじっと
満たされるのを待つ





自由詩 嘘つき Copyright 大西 チハル 2005-02-25 10:26:30
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