あなたはいらない
水戸 うしん

いつからだろう

熱病に侵される

戦う南風、こがらし


叶わない。
世間様に顔向け出来ない
恋煩いとかナントカ

ないとめあ


立夏すぎ汗が滲む

上がる躰の体温
消えない想い人

大勢の人達へのコトバの発信
届かない想い音


片方は少女人形を抱き誇らしげ。
片方は大切な想いを抱いて堪え忍ぶ。


薄暑季節に嫌げがさし
故郷の空が見たい、不満をあげる。
帰りたいカエラセテ

無駄にカエル場所があるのも考えものね

カエッテクルナ
ニドト


熱のこもった躰を隠して
何処へでも行く決意を。


これらを温度差というのかしら


違う。守られているから、わたし


そう、少女人形を抱いてるけど
コトバの重みも無い
穢い手で書き連ねたコトバたち。
得意気ね。


黒目がちなのに
ナゼきつい眼をしているの?

守られているから、わたし

この前消した太陽と朧月。
どう感じているの。
それらを壊してどう感じたの。

醜い。
不心得な感情。

爪先から指先まで
全て悪色よ。

守られているから、わたし

そうね守られている。
少女人形の功徳かしら。

影から人影
人影けら人
人はまだ黒



けど流れた

透明の血


可哀想に
気付かれないのね



声に出して
気付かれないのね


不運じゃないの
悪夢をみている


夢はさめる

人はさめる

熱もさめる




そういうことと
しまいなさい


汗ばむ季節はやがて
冷え込む季節にかわる

そういうことと
しまいなさい

少女人形を抱いた
薄汚い蝋人形。

チカヨルナ キケン

堂々としたもんよ。
浅ましい蝋人形。



いずれ迎にくる
必ず報いを迎える。



消した太陽と朧月、
どれも大切なの。




蝋人形は心を壊して
蝋人形になった。


知っていたかしらね




自由詩 あなたはいらない Copyright 水戸 うしん 2017-07-10 01:56:44
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