窓は、あいていた
(の_の)

湿気、
に飲み込まれる、昼下がりに、
 きこえる、  室外機の音。

  ぶーん、ぶーん

昨日から、何も食べてなかった。
 私は、スーパーに、チキンを買いに行く。

五分後ぐらいに、戻って来る。
水滴の付いたビニール袋をぶら下げて、
             缶コーヒーと
 、チキン。

   玄関から連れて来た、だるい
風  と      あと、   チキン

と、隣のアパートから漏れる、テレビの音
      多分、ワイドショーだと思う。
由々しそうなことが聞こえるし。
たぶん、関係ないんだろうけど。
とおい、とおい世界の
話。

東京も長いけどね、
ずっと住んでるんだけどね?
芸能人とか、
会ったことないし、私、会ったこと無いし、
たぶん実在しないんだよ。

 見たことないものなんて、信じられない。
世界は丸いってさ。わかるんだけどね?
 仕組みのほうはね。裏側とか、 あ る
らしいよ? ブラジルだっけ?

   ぼく、つい二週間前ぐらい?
   そこに、いたんだ。
   そこで、生まれて、
   そこで、死んで…

何か言ってる。ぶつぶつ言ってる。喋れる
んだ、 チキン! びっくりだ!
お前、 偉いよ!
       お前の話に興味はないけど、
忘れる前に冷蔵庫にしまっておく


 聞こえるテレビの音は、いつの間にか通販
になってて、外ではスーパーカブが
ぶーんって、鳴いていた。
   もうすぐ夏がくるなあ、
って、缶コーヒー飲みながら、
            そう思った。
  ほかには、何も、考える気がおきない。


自由詩 窓は、あいていた Copyright (の_の) 2017-07-03 03:44:42
notebook Home 戻る  過去 未来