ユーカリ
藤鈴呼


啓蟄を迎えた深夜
こぽこぽと淹れた レモンティー

出涸らしだからって
これ以上 涙 涸らさないで

葉に留まる 鳥たち
静かな囀りに混じる 合唱

二つの手を合わせたら
何でも出来る気がした

今 しわくちゃの掌を眺める
細くはない指をくわえる

味わい 思い出せるまで
私は コアラだと 信じよう

ぬいぐるみのような 不思議な存在
くりくりの瞳 誰にでも 可愛がってもらえる

待ってるだけじゃなくて
舞ってるわけでもなくて

冬枯れの細い枝につく蕾が笑うから
バスタブの中は ユーカリバブルで一杯

爽やかで 懐かしくって
ちょっと涙が 出ちゃうような感じ

鳥のハミングが 聴こえる
まだ大丈夫 まだ大丈夫

呪文のように 奏で続ける

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自由詩 ユーカリ Copyright 藤鈴呼 2017-05-03 00:20:07
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