ユーカリ
藤鈴呼
啓蟄を迎えた深夜
こぽこぽと淹れた レモンティー
出涸らしだからって
これ以上 涙 涸らさないで
葉に留まる 鳥たち
静かな囀りに混じる 合唱
二つの手を合わせたら
何でも出来る気がした
今 しわくちゃの掌を眺める
細くはない指をくわえる
味わい 思い出せるまで
私は コアラだと 信じよう
ぬいぐるみのような 不思議な存在
くりくりの瞳 誰にでも 可愛がってもらえる
待ってるだけじゃなくて
舞ってるわけでもなくて
冬枯れの細い枝につく蕾が笑うから
バスタブの中は ユーカリバブルで一杯
爽やかで 懐かしくって
ちょっと涙が 出ちゃうような感じ
鳥のハミングが 聴こえる
まだ大丈夫 まだ大丈夫
呪文のように 奏で続ける
★,。・::・°☆。・:*:・°★,。・:*:・°☆。・:*:・°
自由詩
ユーカリ
Copyright
藤鈴呼
2017-05-03 00:20:07