ドラマ ひるがえしてティッシュペーパー 肝心の心臓が鳴ってればいいよ。
ごめんなさいあたしのあなたもしあなたが死んでもあなたがいるのがこわい
そのほかに人生がある 上手じゃないさよならのあとのオールナイトニッポン
そらしどれ 恋人が顔を褒めるとき鎖骨と鎖骨が直につながる
うしなってもこわくはないな 自分さえよければいいので花びらを吹く
どうしたってきみはきみだよ死ぬなって言ったら死なん。ときみは告げ居り
いのちのこと ぼくらの更新される恋 ひらがな未満の自殺ならする
あたしたちの人生はへたなドラマよりずっと長いしちゃんと筋書きがある。それがものすごくて、泣いてしまうことも、あったね、あたしたちアイスの木の棒ですらなかなか捨てられずに、きみの唾液のしみ込んだそれをすこしなめてみたりしていた。たとえば性交をしたってあたしたちはひとつになんてなれなくて、たくさんのあたしがたくさんのきみときみときみと出会い、そしてそれを映画みたいだ、なんて思っている。ひとりでご飯を食べているときにいちばん生きている感じがするのは、食べるために食べているから。関係ないんだ、そのときには大事にしなくちゃいけないひとのことなんて。さようなら、きみときみの人生。おはよう。おやすみ。あたしたちの日々更新される細胞のこと、絶対悲しまないで。ひとことできみを台無しにしたい。救いたい。あたしにしかそれができない、ということにひたひたと感動したい。きみ、きみときみと、それからきみに出会いたい。さようなら。あたしたちがずっと幸せであるために、あたしたちは出会ったり別れたり死んだりして、きみが、それがうつくしいって、誰も教えてくれなかったけどときどきちゃんと気づいたりしているの、あたしは知ってる。ほめてあげる。はやくはやく出会おうよ。それがあたしたちの一回きりのドラマだって、空を見たって、星なんて一つも出ていなくって、ちょっとだけ笑ってしまった。ドラマ。ばかにしないで。それで絶対正解に、決まってるのだ。