待機中
坂本瞳子
ふと窓辺に立って
外を眺めたりしてみる
波が荒れている
春はまだ先だと聞かされている気になる
その寂寥たる景色に
自らの境遇の温かさが身に染みる
沈黙に包まれることの幸せを噛み締めて
切ったばかりの髪を揺らしてみる
誰かに出会えそうな
そんな気がするけれど
まだもう少し
ここでこうして待っているのがいいようだ
自由詩
待機中
Copyright
坂本瞳子
2017-04-05 12:45:23