午前四時
薫子

午前4時

静寂の中…
目覚める

暗闇の中
しんと…音のない


部屋


聴こえるのは
私の吐息…だけ…



重力を失った
暗い空間は
私の身体の重みさえ
奪い去る


午前4時


目覚めた私の
小さな魂は
羽を広げ
夜空に旅立つ


夜の魔王に
見つからないように…


白く軽い羽を広げ
眠りの世界から
抜け出し


蒼い空へ…
静かに…静かに…
羽ばたき始める


そして


世界の眠りの上を
自由に飛び

空の上から
安らかな
寝顔をみる


午前4時


小鳥の羽ばたきが
弱まるころ


東の空は


静かに明け始める


小鳥は
薄青い夜明けに
追いつき
柔らかい巣に落ちる


愛しい人の
巣の中に…





夜明けを追いかけた

小さな小さな


小鳥の…



お話





自由詩 午前四時 Copyright 薫子 2017-03-18 10:47:29
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